

展示されている作品の傾向ですが、ロシアの現代芸術の作風は一言で言うと「西欧っぽい」。中国現代美術だと、社会主義の抑圧だとか高度成長への不安、自分だけが豊かになれない焦燥感だとか、手法においては水墨画の現代解釈など、中国固有の歴史、社会性など、各作品からを強い個性、主張を感じとる事ができましたが、ロシアはたった17年前まで社会を支配していた社会主義への批判、或は懐古というものを感じさせる作品は少なく、西欧の作家達が打ち出した手法をまねて、ロシア的個性を添えて行こうとする方向を感じました。さっと見ただけで、あえてロシアの作風をまとめると「ちょっと暗い」。現代社会を反映して、あっけらかんとした幸せ感が作品に見られないのはロシアだけではありませんが、ポップな作品でも色使いが渋い。これがロシア人気風なのか気候風土によるものなのか?この国の冬の光の射し方に大きな関わりがあると推察しますが、ここで一冬を越し、感性とロシアへの知識、理解を高めた上でもう一度作品達を感じてみたいと思います。
まとめ。今日の見物はMMoma作品群と、その意味を全く理解しようとしないおばあちゃん、というインスタレーション。私のスナップ「廊下の奥で見学者のうわさ話をする二人のおばあちゃん」「漢字で書いたロシアとおばあちゃん」は現代美術だ、とも言えなくもない。(現代美術は言い切ったもの勝ちの世界、思い切って作品宣言してしまうっ)。
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