2009-05-02

地球は青かった ガガーリン像が街を見守る



レーニンスキープロスペクトにその姿を現す、燦然と輝く巨大なモニュメント。ガガーリン像です。1961年4月12日に初の有人宇宙飛行に成功したソビエトの英雄、ガガーリンを記念して立てられたものです。
ガガーリンといえば、「地球は青かった」という言葉があまりに有名ですが、地球の美しさは一言ではとても言い表せなかった、というのが真実のようです。原文(和訳)を見つけました。
「地平線の様子は、独特なものでとても美しい。明るく光る地球の表面から、暗黒の空への境目は比べようもないほど美しい。暗黒の空間には星のまたたきが見える。この境目は、とても薄いもので、地球の球体を囲む膜の帯のようだった。地球の色は、優しく光る淡い水色で、暗黒空間へとつづく境目は、とてもなめらかな曲線で美しい。言葉では伝えにくい。地球の影からでたとき、地平線はまた違ったようにみえた。地平線には、明るくオレンジ色にひかる帯があり、その色は、再び、淡い水色に、そして濃厚な黒色に変わった」
とありました。
「地球は青かった」という言葉の力強さ、簡潔さに、ついそれ以上地球の美しさを想像することを忘れますが、ガガーリンの言葉を読むに連れ、彼が味わった本当に感動的で神秘的な地球の美が浮かび上がる気がします。つまり、「言葉では伝えにくい」という一言こそ、美しさの最高表現なのだと思います。
しかし、それにしても、、このモニュメントは社会主義の偉業を誇張し、海外からの賓客にソビエトの偉大さをアピールするために作られたようで、美しい地球を詩的な表現で伝えようとした本人のナイーブな感性は消し去られ、人間以上の存在になる事を期待された英雄の悲しみを感じてしまうのは私のセンチメンタリズムでしょうか。

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